深き海より蒼き樹々のつぶやき

Sochan Blog---深海蒼樹

2023年(今年)、ぼくは60歳になる

赤いちゃんちゃんこを着る男女

 久しぶりに引っ張り出したAppleのKeyBoardが打ちづらい。「あれっ?」ぼくの指ってここ数年で伸びた?それともぼくの手自体が急成長した?ってくらい、やたらとキーボードが小さく感じられる。その全体のサイズ感と言い、キートップの大きさと言い。
 そんなことはさておいて、今年、ぼくは6月まで生き延びれたなら満60歳になる。 『生き延びれたら』なんて大袈裟な言い方はしたくないけれど、昨夜遅くに台所で残りものをつまみ食いしていてふと思い出したんだ。「油断してたけど、人生そんなにすんなりとはいかないんだな」と、つぶやいていたこれまでの自分自身を。
 10数年前、重症急性膵炎で危うく死にかけたときもそう思ったし、退院後、なかなか元に戻っていかない体力と気力に対してもそう思ったし、娘の受験のときだって思ったし、数年前にロードバイクのローラー漕いでるときに失神して落車2回したときにも、そのおかげで不整脈のブルガタ症候群を疑われたときも、大阪の国立循環器センターでの検査を勧められたときにも思った。ものごとがなにもなくすんなりと行くのが当たり前、明日も必ず生きていることを疑いもしないでいると、『それ』はやってくる。まるで、ぼくの油断や不注意や安心を咎めるように。

 ところで、先日、AppleからM2搭載のMac Miniの発売が発表された。現在ぼくの元で稼働してるパソコンは、今年8年目を迎えるMBA1台となった。残念ながら、MBAより数年古いMBPは挙動がおかしくなって放置されている状態だ。実はこの前起動しようとしたんだけれど、起動はするもののパスワードがどうしても通らなくて先に進めなかった。Appleのパスワード問題。セキュリティが強いっていうことは、こういうことなんだよ。他人に対しても、持ち主に対しても、そのセキュリティの強さは遺憾なく発揮される。
 で、前々からMac Miniはアリなんじゃないかと検討していたぼくは、ついに『購入』のボタンを押した。おそらくは、人生最後のパソコンになると思う。これから先年金生活を真剣に検討していかないといけないお年頃になって、そうそう高い買い物ばかりもしていられない。
 そして、もうひとつ、人生最後のものが本日届く。新車だ。これもリースを幾度と検討してきたんだけれど、妻から『購入』の指令が出た。元々車にまったくと言っていいほど興味がないぼくは、リースにしろ購入にしろただただ車選びとか諸々面倒だなとしか思ってなかった。が、なぜか今回はぼくが車選びをした。しかも、わざわざディーラーまわりをして、実車を見て回ったり営業マンと話したりした。それもこれも、これが人生最後の車と思ったからなんだと思う。

これからのぼくはことあるごとに、「人生最後」とか言いそうだ。それにしても、60歳というキリのいい年に新車と新CPUを手に入れることができるなんて。
 背中を伸ばしたぼくは、大きく息をひとつ吸い込む。
 「しっかりしないとな」
と、声が出る。