すでに学校の夏休みもはじまったわけだし、ずっと以前からクーラーの世話にもなりまくりなのだから、いまさらって感じではある。『夏がくる』ってよりは『夏がきた』だろ。「夏なんてとっくにきてる」と言われれば、確かにそうだ。だが、どうもしっくりこない。気分としては、やっぱり『夏がくる』がぴったりくるのだから仕方ない。
まずは、今年のわが家の小さな庭とも呼べない庭。花壇とも呼べない花壇を見てほしい。
なかなかに立派なもんだと思わないだろうか。「いやいやこれが普通だろ」って言う方もいるとは思うけれど、わが家としてはこの朝顔の葉の大きさといい力強さといい蔓の伸びやかさといい、フウセンカヅラの細い蔓が隙間を埋めるように伸びているさまだったり、手前の小ひまわりのジャストサイズ感といい、すべて自画自賛であるにしてもなかなか相当すごいことになっている。でしょ?
でもね、まだ肝心の花は咲いてない。そこが大事なんだ。と、ぼくは思う。でしょ?
こんなに生命力溢れた緑に生い茂る葉を見ているだけでも心が小躍りすると言うのに、まだこの上に花が咲く。鳥肌が立つ。とまで言うと大袈裟であるけれど、とにかくワクワクしてまだまだこれからだ感がぼくの体を突き抜けていった。
『夏がくる』
そのひと言が湧き上がってきた。
あと1週ほどで7月が終わる。7月が終われば8月がやってくる。近年の異常気象だなんだって言ったって、8月は夏の肝心要、一丁目一番地なわけだ。ついでに秋の運動会を開催するのかどうかの会議だとか、秋祭りに備えた村の役員会だとか、3ヶ月に1度の通院日だとか、いろんなものもやってくる。
ついでに言うと、娘も帰省してくる。昨年末にも連れてきたあいつと一緒に。大事な話があるという。
さてさて、陽が傾きだしたならたっぷりと水をやることにしよう。
花を見た娘は、「すごいねぇ」と、言うだろうか? いや、たぶん、なにも言わないだろうな。たぶん。