【悲報 1 】 鳥取砂丘は、日本で唯一の砂丘ではない
そんなこと前から知ってるよ、って人は、きっとたくさんいるのだろう。しかし、僕は、知らなかったのだ。
そして、なんでわざわざ【悲報】なんだ?という疑問には、だって、鳥取砂丘ってオレだけが砂丘だって感じ、出してない? と、聞き返したい。
いいや、出してないっていうなら、まぁ、アレだけど、ここはこのまま【悲報】ってことで、お願いしよう。
そもそものきっかけは、ここのところ鳥取県に関する記事や、つい最近も砂の美術館なんかの宣伝もしていて、ふと、鳥取砂丘以外に、砂丘ってあるんだろうか? と、あらためて、思ったのだった。
僕は鳥取の隣県において、観光業の端くれを担って早15年足らず、鳥取砂丘へも数多くのお客様をご案内・ご紹介してきたのだけれども、鳥取砂丘以外の砂丘の名前をあげることができない。
もしくは、
「鳥取砂丘以外に、砂丘ってあるんですか?」
なんていう質問・疑問に出会った明確な記憶がないのだ。
ということからも、やっぱり、鳥取砂丘が日本で唯一の砂丘なんじゃないの?
と、僕は、知らず知らずのうちに、勝手に考えていたのだ。
はてさて、鳥取砂丘以外にも砂丘はあるのか?ということを、どうやって検索すればいいんだろうか?
Google先生はかしこいので、そのまま「鳥取砂丘以外にも砂丘はあるのか?」と、打ち込んでしまってもいいのだけれど、僕は我ながらナイスなキーワードを思いついたのだ。
検索ウィンドウに、僕は、『日本三大砂丘』と打ち込んで、リターンキーを押した。
勿論、この段階では、僕は、鳥取砂丘が日本にある唯一の砂丘だとかなりの自信をもって決めつけていた。だから、少なくとも3つ以上あることを前提にした、『日本三大砂丘』というキーワードに、Google先生がどう答えるのだろうと、やや意地悪な気持ちで期待していたわけでもある。
はいはい、日本三大砂丘………
九十九里浜?
僕が調べたのは、砂丘なんだけれど…、九十九里浜って、浜の名前だよ…ね? 砂丘なら、九十九里浜砂丘か、九十九里砂丘とか、とにかく砂丘って名乗ってもらわないと困る。そうだ、困ってしまうよ、絶対に。
だって、九十九里浜だけじゃ、浜の名前なのか、砂丘としての名前なのか、誰にもわからなくないか。
と、いろいろ調べてみると、地元の人ですら、九十九里浜を砂丘だと思ってないなんて意見も見られた。
では、砂丘とは?
風によって運ばれた砂が堆積して出来た丘状の地形である。(by Wikipedia『砂丘』)
かなり、シンプルな定義である。
そして、それは、風が強くて、砂が飛んでくるような海岸では、容易に出来上がりそうにも思える。
と、思って更に調べてみたら、『九十九里砂丘』という地名があることがわかった。そして、その近くには、『一宮砂丘』という地名があって、それは『九十九里砂丘」の一部であると説明されていた。
(http://uub.jp/nam/sakyu.html 地名コレクション 「砂丘」)
ごくごく単純に考えるに、九十九里浜は、かつては砂丘と呼ばれるほどに、大きな丘が形成されていたのではないかと想像される。砂浜と砂丘と、どう区別し、識別していいのか、僕にはわからないのだけれど。
ただ、砂丘という言葉からしても、平地として砂浜が広がっていてもダメなわけで、やはり、丘状になってないと、砂丘らしさを感じられないといったことなんだろう。
だから、便宜的、もしくは、まったくの僕の独断として、この紛らわしい九十九里浜は、日本三大砂丘からはずすことにした。
だって、もともと、三大砂丘だって言ってるのに、四っつも挙げられては困るんだから。
つづきまして、中田島砂丘というのは、静岡県の浜松市にある砂丘だ。
と、Wikipediaで『中田島砂丘』を調べると、ここにも例のものが記載されていた。
鳥取県の鳥取砂丘、千葉県の九十九里浜、鹿児島県の吹上浜などとともに、日本三大砂丘に数えられることもある。
困ったものだ、またしても、ここで九十九里浜が出てくるとは。
日本三大砂丘という括りで言うと、僕の感触としては、
鳥取砂丘>九十九里浜>ときて、>中田島砂丘or吹上砂丘といった序列を感じるのだけれど、九十九里浜に砂丘感がないものだから、実感が伴わず、判断に困ってしまうのだ。
実際に、Wikipediaにしたって、『九十九里浜』を単独で調べると、それが「砂丘」だという記載や解説が見当たらない。
なんて、九十九里浜のことばかり、中田島砂丘のところで語るのは失礼にあたるかもしれない。ただ、中田島砂丘というのは、海岸線の浸食問題を抱えており、やせ細っていく砂丘として危惧されている。
でも、そう考えると、九十九里浜は、やせ細った果ての砂丘ではないのだろうか?(と、また、九十九里浜の話になってしまうけど)
最後に、吹上砂丘は、鹿児島県西部のいちき串木野市・日置市・南さつま市にかけての砂丘海岸である。
ん? 今度は、なんだって? 「砂丘海岸」?
鳥取砂丘だって、九十九里浜だって、中田島砂丘だって、みんな海水浴場を有する、砂丘海岸だ。しかも、Wikipediaでは、「吹上砂丘」ではなく、「吹上浜」として、エントリーされている。
本当に、困ったもんだ。砂丘なんだか、浜なんだか、はっきりしてくれ!と、叫びたくなる。しかもご丁寧に、
日本三大砂丘の一つとされているほか、日本の渚百選にも選定されている。
と書かれていて、だいたい、砂丘と海岸部分が一体型であることが薄々とはわかってきたのだけれど、なんだか腑に落ちないでもいる。
海のすぐそばの、波打ち際に広がるのは、浜であり、海岸である。しかし、砂丘っていうのは、文字そのままに、砂でできた丘なのだ。僕のイメージとしては。
しかも、更に言うと、その砂は表面的にはよく乾いていて、風が吹けばサラサラと音を立てて崩れていくような砂でなくてはならない。
海岸線だとか、浜の部分は、この際どうでもいい。「砂丘」としての部分が、重要なのだ。
別に、鳥取砂丘の肩を持っているわけではないけれど。
とか、言いつつ、
【悲報 2 】 日本で一番大きな砂丘は、猿ヶ森砂丘
そうだ、なんと言っても、これが最大の【悲報】なのだ。別に、僕は、鳥取砂丘に喧嘩を売ろうってわけではないんだけれど、どう控えめに見ても、鳥取砂丘って、
オレが、日本一の砂丘だ
って感じを、ビシバシと出しているはずだ。
にもかかわらず、実は、砂丘として日本で一番大きな面積をもっているのは、猿ヶ森砂丘という砂丘らしい。猿ヶ森砂丘って言われても、どこにあるのか、見当もつかなかったのだが、猿ヶ森砂丘、別名、下北砂丘は、青森県東通村の尻労(しつかり)から小田野沢までの太平洋沿岸に広がり、内陸部の砂丘を含めると日本最大の砂丘になるという。
しかしながら、その肝心な内陸の砂丘部分には、防衛省技術研究本部下北試験場なるものが存在し、その土地が防衛省の管理下にあって、一般人の立ち入りが禁止されている。したがって、その面積が日本一だと言われても、それを実感する手立てが今のところはないということになる。
よかったね、鳥取砂丘。
よくよく考えるに、こうやって写真を並べてみても(実際に足を運んで実物を見たわけではないけれど)、僕(ら)がイメージする砂丘らしい砂丘というのは、鳥取砂丘だということがよくわかる。しかも、鳥取砂丘には、ラクダまでいる。確か、3頭。
ラクダは、砂丘ではなくて、砂漠だろ?なんて、ツッコミはよしてもらいたい。砂丘と砂漠の違いを調べる元気は、もうない。簡単に結論づけるなら、砂丘とは基本的には海岸線にできるものであり、砂漠とは内陸部にできるものである。以上。