ねぇねぇ、なんだかうまく伝わらないんだ、いろんなことがね。ひょっとしたらそれなりには伝わってるのかもしれないけれど、少なくとも僕は僕とキミの間にある微妙で済ませられないズレを感じている。そこであれこれ考えていたら、いい方法と言うか、こんなイメージが浮かんだんだ。
まずは、少し大きめのテーブルを用意する。オシャレなテーブルなんかじゃなくていい。どちらかと言えば頑丈なテーブルがいい。
そして、真っ白な紙を用意する。スケッチブックから1枚むしりとったっていいし、コピー機からA3用紙を引っこ抜いてきたっていい。でも、真っ白な紙だってことにはこだわらせて欲しい。
次に、十分な重さと強度と大きさをもったハンマーを用意する。あまり重すぎるのはよくないけれど、痛い思いだけして結果を伴わないなんて失敗はしたくないんだ。
用意した真っ白な紙の上に僕は自分の頭を載せるから、誰かそのハンマーで僕の頭を殴りつけてくれないかな。見事に僕の頭が砕けて、ほどよく脳みそが真っ白な紙の上にぶちまかれるくらいにね。
そしたらほら、僕の頭の中にあったいろんなものが、キミもわかってくれるかもしれない。あぁそうだったのかと、キミが涙する姿を僕は見ることができないけれど。
なんてことを、10代の頃はよく考えた。ぴったりな言葉はいつも僕をすり抜けていく。掴めそうで掴めたためしがない。きっとそれは今も変わらない。違うのは、僕自身が昔よりほんの少し辛抱強くなっただけ。
ここにひとつ純粋な疑問がある。今僕の頭を真っ白な紙に載せてハンマーで殴りつけたなら、紙の上に散らばった僕は昔の僕と違うんだろうか?
どうでもいい話だけどね。