深き海より蒼き樹々のつぶやき

Sochan Blog---深海蒼樹

HHKBと過ごした1ヶ月について

 結論として、この1ヶ月の間、HHKBを使いつづけている。もちろん、使い勝手の悪さはある。MacのMagic Keyboardとの一番の違いは、コマンドキーを使わなくなったことだろう。最初の頃はいかにしてコマンドキーを使うかということに苦心した。Macのときから重宝していたKarabinerがHHKBではうまく作動しないことを知って以来、コマンドキーはあきらめた。
 次に活用できると思ったのがFnキーだ。元々、HHKBではFnとの組み合わせで行頭や行末への移動が可能だった。しかし、なかなか一発でこれがきまらない。一発で決まらずにカーソルがあっちへこっちへ、時にはカーソルを見失ったりする。最大の原因は無刻印キーに取り替えたせいだ。わかってはいる。未熟なぼくに無刻印はまだ早すぎた。けれど…、もう戻れない…(いや、いつだって戻ればいいんだけれど)。

 で、次に見つけ出したのが、Controlキーを使ったショートカットだ。Macのキーボードの場合、Cntキーは左Commandキーの隣りの隣りにある。非常に押さえにくい。ただ僕がこのCntキーを使う場面と言えば、ランさせたプログラムを強制的に止めるときくらいだ。だから、面倒な場所にあってもそんなに気になりもしなかった。
 しかし、HHKBの場合には、左シフトキーの上にControlキーがくる。さっきも書いたようにKarabinerの利用をあきらめたことで、『英数(半角)』と『かな(全角)』の切り替えは本来のCnt+Spaceキーで切り替えるようにしている。正直、MacのキーボードでKarabinerを使っていたときのように、左Commandキーを『英数』、右Commandキーを『かな』に設定できないことは不満だし、かなりのストレスである。
 なによりも、Win機と同様、『半角/全角』キーを押しても半角なのか全角なのか判然としないのは気持ち悪い。なにを言っているかわからないだろうか? いや、これはWindowsユーザーのなかでも不満の多いところだと理解している。『半角/全角』キーは、『半角』状態で押せば『全角』になり、『全角』状態のときに押せば『半角』になる。当たり前のことを書いているんだけれど、これが気持ち悪いのだ。
 Karabinerを利用して、左Commandキーは『半角』、右Commandキーを押せば『全角』と設定されていれば、いまの状態が『半角』であろうが『全角』であろうが、これから打ちたい文字に合わせて左右のどちらかのCommandキーを押せばいい。いちいちいまの状態が『半角』か『全角』かを確かめることも気にする必要もない。
 しかし、『半角/全角』ボタンや、Cnt+Spaceキーというのは、そういうショートカットではない。絶対的なものではないのだ。あくまでも、『全角』だったら『半角』、『半角』だったら『全角』に切り替わるというものだ。こっちは日本語を入力したいので『全角』であればいいのに、元々『全角』状態であったものをこの動作をすることで誤って『半角』状態に切り替えてしまって、ngugugu(んぐぐぐぐ…)となることがある。
 この余計なことをしてしまった感と苛立ちがどれだけの作業効率を低下してくれることか。『半角』か『全角』かを把握していない僕が悪いんだと、あなたは僕を責めるだろうか? 間違ってたら戻せばいいだけじゃないかって、あなたは僕の心が狭いと非難するだろうか?
 しかし、誤って打ち出された文字を消して、またもう一度文字入力切り替えのためにひと動作してって、むちゃくちゃ面倒じゃないですか? 左Command『半角』、右Command『全角』と決まっていれば、いまの状態が『半角』か『全角』か自信がなくてもワンタッチすればすむ話なのだ。すごく便利でしょ?
 しかし、残念ながら僕はこの左右Commandキーを『半角』『全角』に設定する方法を知らない。Cnt+Spaceキーでの切り替えを強いられている。まぁ、とれあえずはあきらめた。

 もうひとつの問題が、十字キーがありません問題だ。Macキーボードの十字キーをなにに使っていたのかというと、行頭や行末、文頭や文末への移動に使っていた。冒頭にも書いたようにこれはFnキーとの組み合わせで十字キー機能が使える。これにCommandキーをプラスして行頭や行末へ移動することが可能になる。しかし、Fn矢印キーの場所が覚えられない(だから、無刻印をやめろって?)
 なんとかこれに対してはいい対応を見つけた。Commandキー+Fnキー+文字キーと三箇所押すよりも二箇所で済む。

  • Cnt + a 行頭
  • Cnt + e 行末
  • Cnt + f 1文字右へ
  • Cnt + b 1文字左へ
  • Cnt + p 上へ
  • Cnt + n 下へ

 もちろん、暗記はできていない。かろうじて使用頻度の高いCnt+aで行頭は覚えた。それよりも使用頻度の高いCnt+eはなぜか覚えられない。ので、カンニングペーパーを貼っている。
 そこまでするならMacのMagicKeyboardに戻ればいいじゃないかと、あなたがそう思うように僕も思わないではない。いつでも使えるようにMagicKeyboardは机のすぐ脇に置いてある。けれど、もうしばらくHHKBを使おうと思う。なんだか知らないけれどそう思う。