昨日と言い、今日と言い、僕のお腹にある、胆嚢全摘出手術による全長18cmの傷が、久しぶりに疼いて痛い。
手術から、かれこれ1年半以上が経っているのに、どうしたんだろう?と、僕は、若干の不安を覚えつつも考えた。
最初に思い当たったのは、少し前に、ストレスによる摂取障害に陥っていたことだ。とにかく、食べることを、抑えられず、かなりな暴食をしていた。
しかし、ここのところはそれを反省して、食事には気をつけるようにしている。
あの暴食の結果が現れだしたのだろうか?とも、思ったのだけれど、ふと、ここ2,3日の急激な冷え込みぶりを思い出して、はたと別の原因に思い当たった。
それが、
「今でも、寒くなると、この古傷がうずくんだぜ」
という、ヤクザな台詞だ。
古い映画なんかでよく出てくる、おなじみの台詞と言ってもいい。
それは、ヤンチャをしてた頃の刃物傷だったり、体内に残った鉛の破片だったりするのだった。
そして、大抵の映画の中では、少し斜に構えたような感じで、自嘲気味な照れくさそうな笑みを浮かべながら、そんな台詞を言うのだ。
うん、渋い
僕の場合は、単なる開腹手術でできた、縫合跡なわけで、渋くもなんともないわけだけれど、このヤクザな台詞が身にしみてわかることには違いない。
確かにここのところの冷え込みによって、僕の傷は疼いているわけだ。
もっと格好をつけて言えば、
「オレの古傷が、寒さのせいで、むせび泣いているぜ」
と、言ってもいい。
どんなに格好をつけて言おうと、肋骨に沿って斜めに切られた跡は、わかる人が見れば一目瞭然で、胆嚢摘出手術痕でしかないのだけれど、切られた跡には違いない。
別に、ヤンチャをしたわけではないのだけれど、ある意味、内臓の癒着が予想されるために、この腹腔鏡手術全盛の時代に、わざわざ18cmも切られているのは、ヤンチャと呼んでいいのかもしれない。
あぁ、しかしながら、こんなことでヤクザな台詞を言える仲間入りができるとは、思ってもみなかった。
偏食や暴飲暴食、脂質の取り過ぎには、みなさん、ご注意ください。
うっ、しかし、痛い。